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【編集者のひと言】『もの思う鳥たち』が好評です!

 『もの思う鳥たち――鳥類の知られざる人間性』(笠原敏雄訳)はお陰様で発売以来ほどなく重版がかかり、バクハツ嬉しいです。  本書の企画時から私(担当者)が心に抱いていたのは、  「鳥を好きな人はいっぱいいるから、鳥の心について(おそらく初めてまとまった形で)書かれたこの本の読者は必ずいる!」  という予測というか願望と、  「この本がたくさん読まれてくれれば、(鳥たちに人間のような心があることがわかるから)自然破壊で鳥たちのすみかがなくなったり、工場みたいなケージ飼育で鳥たちがオートメーション的にお肉になっていくことがそれだけ減っていくはずだ!」  という、もう少しまじめな希望でした。  本書で私がいちばん忘れられないのが、鳥たちの音楽の才能と、愛情のドラマですね。  第8章に出てくるウィルソンという行動科学者が飼っていた、セキセイインコのブルーバードくん、ガールフレンドのブロンディーちゃん、そしてブルーバードの死後やってきたラヴァーくんのこと。 ●ブルーバードくんの音楽の才能(106ページより)  ブルーバードは、自分で作曲した歌や、人間がつくった曲を歌うのが好き。セキセイインコの声で歌いますが、リズムとメロディーとテンポはちゃんとその通りに歌えます。  ブルーバードが人間の音楽に目覚めたのは、生後四カ月の頃に、「ミスター・ブルーバード」という歌詞の入った曲(自分の名前と同じだとわかり、自分のことを言っていると思ったらしいです)、「ジッパ・ディー・ドゥーダー」を聴いた時だったそうです。  これはディズニーの「南部の歌」の主題歌で、「♪まあ、何てすてきな日なんだろ……青い鳥〔ミスター・ブルーバード〕が肩に乗り……」という歌詞があります。  このレコードがかかると、ブルーバードは歌詞の中の自分の名前に反応して、大きな声を出しながら、いかにも幸福そうにあたりを飛びまわりました。また、「ミスター・ブルーバードが肩に乗り……」のところにくると、曲に合わせてその歌詞を口ずさむこともあったそうです(!)。 ●ラヴァーくんの涙ぐましい愛(116-117ページより)  ボーイフレンドのブルーバードが亡くなったあと、落ち込んでいるブロンディーをなぐさめるためにウィルソンが連れてきたセキセイインコのラヴァーくん。しかし、彼はブロンディーにはハナもひっかけてもらえず、それこそ徹底的に無視されます。彼の友だちは鏡とプードルのぬいぐるみだけ。  しかし――ブロンディーが死んだ日、彼はまる1日、彼女の遺体といっしょに過ごし、テーブルの上に置かれた遺体のまわりをまわりながら、「かわいそうなブロンディーちゃん。かわいいブロンディーちゃん Poor littlle Blondie. Sweet little Blondie」と、言葉をかけていたそうです。泣けてきます~。  これ以外にも、巣作りや子育て、歌の練習、仲間との協力など、鳥がいかに人間そっくりな精神生活を送っているかのついてのエピソードがたくさんあるのですが、ここまで書いてすでに字数がこんなになってしまったので、本書と関連のある2冊の本のお話を。  私は本書の仕事を終えてこれらの本と出会い、ほんとうにビックリしました。音楽ネタばかりですが、私は何せ音楽好きなのでご容赦ください。 ◆鳥と人間との合奏  映画にもなった、さそうあきらさんの名作マンガ『神童』(双葉社)。その第1巻・第2話「鳥のうた」。主人公の女の子「うた」が、窓から入ってきた小鳥の歌とピアノで合奏する感動的なシーンがあります。 ◆オーケストラに合わせて歌う鳥たち  『巨匠たちのラストコンサート』 (中川右介 、文春新書 636)という本に、イタリアの伝説的な指揮者アルトゥーロ・トスカニーニの話が出てきます。高齢になった彼を説得して、彼だけのためのオーケストラ(NBC交響楽団)を作るのでその常任指揮者に招こうとした人の話:  かつてトスカニーニがニューヨーク・フィルでベートーヴェンの「第九」を振ったときに、そのラジオ放送を聞いたカナリアたちが、なんと第4楽章からラジオの前に集まってきて、一緒に合唱したというのです。その記事のことを聞いて感動した70歳のトスカニーニは、指揮者として復帰することになります。  著者の中川さんはこの歌うカナリアの話を「とうてい信じられない」という感じで紹介されていますが、本書を読み終えたら、この話は100%真実であるとしか思えなくなってきます。                  *    *   *  本書がひとつのきっかけとなって、今後、「人間性」をもつ鳥たちについての研究が進み、私たちと鳥たちとの関係が、もっともっと愛情と尊敬に基づいたものに変わっていってくれればと思います。(HT)  * 訳者・笠原敏雄先生のHP(「心の研究室」)