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愛とジェット燃料と

「時事通信」(2008/08/07)によると、
世界の旅客便、6000万席減も=同時テロ直後上回る減少率-10~12月期
 【ロンドン6日時事】原油高や世界的な景気減速を受けた需要低迷の影響で、世界の航空会社が今年10~12月期に提供する旅客便の合計座席数が、前年同期比5969万席(7%)減の8億3185万席に落ち込む見通しであることが6日、明らかになった。旅行データ会社OAGが航空各社の計画に基づいてまとめた。  計画通りに減らされれば、米同時テロ発生直後の2001年10~12月期(5%減)を上回る減少率となる。(2008/08/07-05:24)
 原油高や世界的な景気低迷のために、昨年(2007)に比べて世界の旅客便の数=飛行機に乗る人の数が大きく減少しそうです。しかもその減少率は、あの9・11テロ(2001年)の影響で海外への旅行客が世界的に減ったとき以上のものらしいです。  この点について、昨年(2007)末に私が編集した本『地球を冷ませ!』(ジョージ・モンビオ著)で、ピークオイル(石油資源の枯渇)という観点からも温室効果ガスの面からも、「人間が飛行機に乗れない時代が来る」というハナシがあり、いささか過激な説だな~と思ってました。  しかし同書の著者モンビオ氏(英国の環境ジャーナリスト)が以下のように説明しているように、飛行機というのはすごく燃料食い(=温室効果ガス出しまくり)で、しかも自動車よりぜんぜんモデルチェンジが遅いことがわかります。その事実が上のようなニュースと重なると、彼の予言には大きな現実味が出てきたように思います……。  以下でモンビオ氏が説明している、飛行機をめぐる状況は英国の資料をもとにしたものですが、大筋では、世界の航空業界全体についての予測と言ってもいいと思います。(『地球を冷ませ!』ジョージ・モンビオ著、第9章 「ラブ・マイルズ:人間は飛行機に乗り続けられるのか」他より) ----------------------------------------------- ●飛行機と自動車とでは……●   飛行機に乗ることで生じる環境への影響が、1人の人間によるその他の環境への影響を小さく見せてしまう理由が二つある。第一の理由は、飛行機によって移動できる距離〔が長いこと〕である。(……)  1人当たりで比較すると飛行機の〔温室効果ガス〕排出量は車の約半分ということになる。  しかし、車で移動する平均距離は年間約14800キロメートルで、これは飛行機なら1日でひとっ飛びの距離である。ロンドン~ニューヨーク間を往復すると搭乗客1人当たりで、大ざっぱに1.2トンの2酸化炭素を排出する。  この値はちょうど〔温室効果ガスの〕90パーセント削減が達成された際に私たち1人ひとりに割り当てられる1年間の排出量なのである。 -----------------------------------------------  生態系にやさしい台所用洗剤や洗えるおむつなどを購入している人もいるだろう。ところがそうした2酸化炭素の排出削減を1万倍にしても、飛行機に乗ってしまえばすべて帳消し、せっかくの努力も水の泡となる。 ●省エネ飛行機は間に合うか?●  航空交通の増加と炭素排出削減の必要性に折り合いをつける方法は二つある。ひとつは航空機の燃費を格段に上げること【というか自然に上がっちゃいましたね……】。もうひとつが新燃料である。  英国政府の航空白書はこう述べている。
欧州航空調査諮問委員会(Advisory Council for Aeronautical Research in Europe)で合意された研究目標によれば、2020年までに2酸化炭素排出の50パーセント削減が達成可能である。
 この記述は英国下院環境監査委員会が指摘したように、意図的な錯誤である。調査諮問委員会が実際に述べたのは、その目標は純粋な願望であって、既存のタイプのエンジンを改良しても達成できないということである。目標達成には「飛躍的に進歩したテクノロジー」が必要だが、今のところそうしたテクノロジーは存在しないのである。  現代の航空機の設計寿命を考えると、同委員会の「研究目標」は現実的な排出削減とはますます関係が薄くなる。飛行機の寿命は非常に長いのである。747ジャンボジェットが就航したのが1970年で現在もまだ飛行している。ティンダール気候変動研究センターでは新型エアバスA380も「じょじょに型は変化する」が2070年になっても現役、「旧来のエンジンに少しずつ改良を積み重ねただけの高圧・高バイパス比ジェットタービン・エンジン」を利用し続けているだろうと予測している。  2020年までに50パーセント削減ということは、新たなテクノロジーを開発、設計、試験し、その技術を利用する航空機の認可を受けてから製造するだけでなく、既存の航空機をすべて廃棄し新型機に入れ替え、さらに航空会社はその既存航空機につぎ込んだ数百億ポンドを捨てなければならないのである。  航空機のエンジンに関する限り、「飛躍的に進歩したテクノロジー」はまだまだずっと先のことになる。王立委員会は次のように報告している。 「基本的なガスタービンのデザインは1947年に登場した。このタービンは約50年間航空機エンジンの主力の座を維持しており、この状況が近い将来に必ず変化するといった気配は見られない」 -------------------------------------------  省エネジェット機はそう簡単にできないし、世界中の飛行機の急速なスゲ替えは無理、じゃあどーすれば? 著者モンビオが推奨するのは、ナント、プロペラ飛行機と飛行船。のんびり~というか理づめで考えた究極の策。  終戦直前、各国のプロペラ軍用機は時速700キロぐらいのものができていました。今の技術で補完すれば、どんなのができるでしょうか。(現在の大型旅客機のルーツはボーイングB29とかの爆撃機でしたし)  ちなみに「ラブ・マイルズ」というのは、「他国にいる(親戚や友人や恋人など)愛する人に会うための、いわば人間版のフードマイレージ(食べ物が産地から消費者にわたるまでの輸送距離)みたいなものです。    愛する人に会うためにジェット燃料は温存しましょう! ということですね。(HT)