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日本教文社 -総合情報ページ- >  > 追悼:ライアル・ワトソン博士

追悼:ライアル・ワトソン博士

 さる2008年6月25日、イギリスの動物行動学者・生物学者のライアル・ワトソンさんが亡くなられました。 『生命潮流』『風の博物誌』『未知の贈りもの』など多くの名著を残された博士。小社で20年前に刊行した著作『ス-パーネイチャー2』はこれまでに版を重ね(12刷)、科学と神秘の境界に魅せられた多くの方々に読まれ続けています。

 本書については思い出がありまして、15年前のこと、日販さんが出しておられた本の情報誌「Do Book」に、「ロングセラーの秘密」というコラムで記事を書かせていただきました。その記事を読んでくださった、当時の『ス-パーネイチャー2』の担当者だった編集者のTさんからオホメの言葉をいただき、すごく嬉しかったのを覚えています。先輩編集者さんが残して行かれたヒット本のレビューを書くというのはなかなかのプレッシャーなので。  その記事の後半に、その後の博士の足跡を考えてもそんなにハズしてはいなかったかな? と思える、こんな文章があります。 「その後、本書〔『ス-パーネイチャー2』〕が版を重ねロングセラーになったのは、ワトソン氏自身の親しみやすいキャラクターや、彼の多くの本にみられるミステリー的な面白さ、ヒューマンな温かさもさることながら、自然の懐へ深く入り込んでいくことで超自然的世界へ到るそのアプローチが、ニューサイエンス、エコロジー、超心理学といったジャンルをこえて、(博士の相撲好きは別としても)日本人の心性にひろく訴えたことにあるような気がする。  日本の読者がワトソン博士にもつ共感は、ひょっとすると古(いにしえ)の修験者、放浪の俳諧師、さらにはあの南方熊楠といった、自然の秘密と親しく交わる霊的フィールドワーカーたちへの共感につながるものではなかろうか。」
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 それから15年たって、私は意外なところでワトソン博士と再会することになります。私の担当した『自然は脈動する――ヴィクトル・シャウベルガーの驚くべき洞察 』という本の校了前に、ワトソン博士がその著作『アースワークス――大地のいとなみ』でシャウベルガーのことを取り上げているのを知ったのです。 「森の人」としての直感と、自然のいとなみの直接的観察からみずからの特異な科学大系を築いたシャウベルガーを、私はヨーロッパの南方熊楠ではないかと勝手に思っているのですが、シャウベルガーの本を見つけた自分の着眼点が、ワトソン博士と同じ線上にあることがわかって嬉しかったです。
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 10を超える学位を持ちながら、つねに「既知」と「未知」との境界に橋を架ける冒険的作業を行った博士のご冥福をお祈りします。つぎは、「向こうの世界」を探険するという大事業が待っているのかも? (HT)