レビュー:『生命倫理を考える』(小林光子著)
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<DATA> 誌友会のためのブックレットシリーズ2 『生命倫理を考える』 小林光子著(生長の家本部講師) 定価(本体571円+税) 生長の家刊 |
もし、自分に遺伝子の異なる父母が何人もいたら?
もし、他の人間や動物の生命を犠牲にした臓器や細胞の移植を受けなければならなかったら?
こんなSF映画のようなことが、現実になろうとしています。
この誌友会のためのブックレットシリーズ2『生命倫理を考える』は、臓器移植や遺伝子治療、クローン技術といった最先端の生命科学技術が実は大きな問題を抱えていることを、わかりやすく紹介しています。
それは、人間は何のために生まれてくるのか、どう生きるべきか、といった根本的な疑問に繋がっています。
科学者は人間をヒトと呼び、アフリカで誕生した最初の人類を祖先とし、最初の細胞単位である受精卵をヒトの始まりと仮定しています。
でも、今も科学者の間では、最初の生命がどのように誕生したのかについては明らかな結論が出ていません。
そんな中で、難病や子を産めずに悩み苦しむ人を助けるために進展した生命科学・医学は、自分の好きなように生命を操作することを可能にしようとしています。
そして、もっと優秀な子供を、もっと美しくいつまでも若くと、肉体の完璧さを求める欲望を満たすためには、他の人間や動物の生命の犠牲も厭わないといった傾向が現れています。
生長の家では、人間の本当のすがたは肉体ではなく、永遠生き通しの「いのち」であると教えています。
その「いのち」は、宇宙を創り、豊かな地球の生態系を生み出し、人類の祖先から私たちの先祖、両親を通して自分を生かしている宇宙の大生命です。
それは、あらゆる善きものの創り主である神の「いのち」であり、私たちは皆、神の「いのち」を表現するために生まれてきた、尊い存在なのです。
どんなに科学技術・医学が発達しても、空気や木の葉の一枚も作れないように、私たちを生かしている「いのち」そのものをつくることはできません。
本書は、生命科学・医学が進展する世の中で、生命についてどのように考えたらいいかを教えてくれます。
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メイ利子 生長の家本部国際部勤務 趣味は読書、映画鑑賞、散歩 座右の銘は「幸福は与えられたものの中にある」 |
※『日時計24』No.33「私の日時計ブックレビュー」から転載
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生長の家の月刊誌『いのちの環』に好評連載された「生命倫理を考える」を1冊にまとめたもの。代理出産、遺伝子操作、クローン生物、臓器移植など、人間の生と死そのものが科学的に操作されるようになった今日、人間は「生き通しのいのち」をもった尊い存在であり、利己心や欲望を動機として生命科学技術が使われてはならない、との生長の家の立場から、さまざまな問題をやさしく解説。 |
(著) 定価(本体571円+税)
▽A5判・並製/120頁/ISBN978-4-915759-26-0
初版発行 2012年/生長の家刊
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