【NHK Eテレ「ヴィクトール・フランクル(心の時代 〜宗教・人生〜)」第3回目を見て】
Eテレ「心の時代」ヴィクトール・フランクル第3回目は、豊かさの中の「空虚」というお話でした。
戦争が終わり衣食住に困ることもなく豊かに暮らしているはずなのに、何かに不満を感じていて心が満たされない。そのような空虚感を感じている人は、心が内側を向きがちで自分のことばかりを必要以上に考えてしまっている。
この「過剰自己観察」は、まさに現代人の心の問題とも通じるもので、80年近く前からすでに若者たちが同じような心の問題を抱えていたこと、そして自分にも思い当たる節があることに衝撃を受けました。
たしかにトラウマや過去の出来事(=岩礁)を掴みに行くフロイト式のセラピーでは、心の問題は解決しない。岩礁に目を向けるのではなく、海水を満ち潮にしていく生き方をしよう!というフランクルの提案は、明るく希望に満ちていて、日時計主義的であり、とても素敵な考え方だなぁとしみじみと感じました。
もう一つ感じたのが、フロイトの影響力について。
フランクルが若かりし頃にフロイト心理学を学んだことが基礎となりやがてロゴセラピーを確立したように、フロイトが創始した精神分析療法はその後、弟子や多くの研究者、実践者たちによって様々に発展していきました。
また特に心理学を学んだことのない一般人でも、フロイトの精神分析や夢判断はなんとなく知っているのではないでしょうか。時代を超えて読み継がれ、今でも影響を与え続けている心理学の巨匠・フロイトの凄さをあらためて感じました。
ちなみに日本でも1950年代に翻訳され出版された『フロイド選集』(全17巻)は、今でもデジタル・オンデマンド版で手に入れることができます。なかでも『フロイド選集1・精神分析入門(上)』は、専門知識を持たない一般人向けに語った講演集で、20世紀心理学における基本的文献としてとても有名な著作です。
若きフランクルもきっと読んだであろう著作をあなたも読んでみませんか?(営業部・A)
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